横川・峠の湯間はこちら
13:10 ウォーキング開始
柵を越え、いよいよ未踏の横軽へ踏み入ります。この立入許可を得るためにここまでやってきたのです。
現在地は★あたり
まずは、第一の見どころ、めがね橋に並んで架けられている
Cassiopeia sweet – Photo by Cassiopeia_sweet., パブリック・ドメイン, リンクによる
新碓氷川橋梁を目指します。
ツアー参加者全員に、ポータブルの無線機が貸与され、道中、ガイド氏の話をイヤホンで聞きながら歩いてゆきます。
列車が通過してもおかしくない眺め。97年の廃線からすでに23年が経過しています。
ここから軽井沢まで、18本ものトンネルで峠を越えていくことになります。
全国各地に廃線のトンネルを抜けられる場所はいくつかありますが、本線級の路線でかつ平成まで使われたトンネルを歩けるのはこの横軽くらいではないでしょうか。貴重な体験です。
短いトンネルを抜け
再び外へ
先ほどに比べ、上り線が荒れてきました。山に分け入り、廃線を囲む環境も少しずつ厳しくなっていきます。
ここからの第1・第2トンネル間は、横川駅・第1トンネル間に次ぐ長さの地上区間。改めて見てみると、往年の峠の写真はたいていこの2区間のどこかで撮影されています。
歩けば歩くほどEF63の気分を存分に味わえます(白目)
そんなロクサン色のガイド氏のご厚意で、
希望者は右下の階段から上り線へ「転線」できることに
ただ今回は、下り線をチョイス。
子どものころから高いところが好きな筆者
現役のままとはいきませんが、手入れされていることが分かります。とはいえ自然は容赦なく
人工物を「自然に還さん」と枝が迫ってきます。
と、つらつら歩いて
13:40 区間最長 第2トンネルへ
最初の山場、第2トンネルにやってきました。ここから1km近く暗闇を進んでいきます。場所は以下の★あたり
上野・高崎から関東平野を駆けてきた列車が、ここで初めて険しい地形にぶつかります。
横軽は、そういう意味でも長野へ向かう車窓の中でもハイライトだったのではないでしょうか。
いざ。1kmもトンネル区間を歩くことなどなかなかありませんよ。
第1トンネルとは異なり、第2トンネルは出口の光を頼りにすることができません。ここでいよいよ持参したライト君の出番です。
これは架線の跡。電気を絶縁する碍子部分だけが残されています。
当の架線は、廃線後も残っていたようですが、銅の市場価格が高騰した際に何者かに盗まれてしまったのだとか。
列車に乗っていると気づきませんが、トンネル内にはちょっとした仕掛けがたくさん
県を跨いだ軽井沢まで高崎支社管内だったんですね。横軽区間は一括で管理したほうが良いという判断だったのでしょうか。
バラスト軌道からスラブ軌道に変わっていますね。
それぞれの以下のような特徴があり
バラスト軌道⇒安価・静か・振動小・管理コスト高
スラブ軌道 ⇒高価・うるさい・振動大・管理コスト安
長いトンネル区間で、周囲への騒音被害もないということで、スラブ軌道が選ばれたのでしょう。
今では新幹線建設に欠かせないスラブ軌道ですが、
東海道新幹線は建設時に技術が未確立だったため全線がバラスト軌道なんだとか。
一方、同時期に開通した横軽でこのように採用されています。運転速度の違いはありますが、国鉄が技術の粋を結集させ横軽を建設したことが伺えます。
そしてこの廃線ウォークで実感したのですが、スラブ軌道の最大の長所は
その上を歩きやすいことです←
そんな軌道上では時折「歴史の落し物」と見かけます。例えばこれ。
現役時代に、乗客が列車の窓から捨てたと思われる空き缶なんだとか。
そして、入口から30分ほど楽しんだところで、
14:10 第2トンネル制覇!
つづく
コメント