留萌本線 峠下駅 ~次の夏はもう来ない~

北海道

繁忙期にこそ旅行という癒しを

「有休が使えなければ土日で旅すれば良いじゃないか」

悪魔、はたまた天使の一声か。気づけば一泊二日旭川旅行を楽天でぽちり、朝イチで発ち、最終便で帰るという強行軍を敢行したのでありました。

本日は2日目の2022年9月4日(日)。旭川駅前のJRインを後に、23年春に廃線となる留萌本線に出かけたのでありました。

旭川駅

JRイン旭川からの眺め。露天風呂のある素晴らしいシティホテルだった。

JRインから眺めた旭川駅と忠別川

廊下から眺めた旭川駅。駅の裏手に川が流れる駅も珍しい。

峠下駅 平凡かつ究極の駅名 

まずやってきたのがこちら。線内随一の規模を持つ峠下駅です。

峠下駅

駅舎

駅周辺はこのような雰囲気。30年ほど前まで、駅前に集落がありました。

昔の峠下駅の航空写真

この当時は駅周辺に微かな建物が見える(国土地理院地図 1974~78年)

ただ、現在ではすべて自然に還っておりました。

本記事の投稿時では、航空写真内に横一線に描かれたレールが確認できますが、いずれ山間を写した航空写真となるわけです。人の営みがまた消えていく。そう表現すると悲しいのですが、ただ本来の姿に戻るだけなのかもしれません。

峠下駅舎

あのJRマークが輝いていた時期もあったのだろう

意外にも1998(平成10)年までは有人駅だったという。タブレット閉塞が残されていたためです。
無人駅となった今でも冬季は保線員さんの投宿場所となっており、駅舎は綺麗に維持されております。

隣駅だった東幌糠駅は利用客僅少のため2006年に廃駅となった。「ほろぬか」で上書きされている。

千鳥式の対向ホームが構内踏切で結ばれている。

この長大なホームが必要だった時期があったとは、現在からは信じがたいのがしょうじきなところ。とはいえ、ファンとして、こうして往年を偲ぶのも嫌いではありません。”無駄””は究極の癒しです。

こちらは留萌方

驚いたのは除草がしっかりされていることです。最後の夏まで気を抜かない保線員さんたちの仕事ぶり、頭が上がりません。

そしてこちらが深川方面

と、そのうち接近音がきこえてきました。といってもそれは、山間から響く軽やかなジョイント音。

峠下駅に到着するキハ54

留萌行き列車が到着。鉄らしい風貌の男たちで席は埋まっていた。

雪のない峠下駅はもうすぐ見られなくなるだろう

『留萌』異国情緒があり好きな地名だったが、この2文字を見ることも減ると思うと寂しい限りである。

つづく

留萌本線 留萌駅 | 廃線を控える炭鉱と漁港が生んだ巨大ターミナル
前回はこちら 2022年9月4日(日)、峠下駅を後にし、日本海側の街 留萌へやってまいりました。 かつては周辺や羽幌炭鉱で採掘した石炭の積出港、そしてニシン漁で栄えた漁港として賑わった留萌。そんな街の賑わいを反映するよう...

アクセス

コメント

タイトルとURLをコピーしました