三方向から水が集う街 広島県三次市と三江線で往年を偲ぶ-中国地方縦横断part2/7

中国

前回はこちら

【備中高梁】「松山」の名を奪われた土地で朱色の街並みを楽しむ-中国地方縦横断part1/7
高梁 この地名を読めるのは、岡山県民か鉄道ファンくらいなのではないでしょうか。そもそも「梁」が読めない。 正解は「はり」建物の屋根を支える水平方向の柱のことなんですね。じゃあこの街は、たかはり?ただ、そう簡単にいかないの...

三次

これまた初見で読むことが難しい地名ではないでしょうか。正解は「みよし」。
国内に「みよし」市は三か所あって、

  1. 徳島県 三好市
  2. 愛知県 みよし市
    そしてこちらの
  3. 広島県 三次市
    ですが、一番特徴的な表記となっています。そんな三次市は、中国地方のちょうどおへそのような場所に位置しています。広島市内から高速バスで1時間半ほどの場所。
    出典:Yahoo地図

そして何よりも特徴的なのが、三方から集まってきた河川が一つに合流し、一つの川となって流れてく場所でもあります。
車によってたくさんのヒト・モノが運ばれる今日のように、かつては舟がその役割を担っていました。そのため、河川があるところ、とりわけ三次のように合流する場所は、今でいうジャンクションとインターチェンジを兼ね備えたような物流の要衝であったのです。

ちなみに地図内にある「マツダ三次試験場」。「三次試験」と誤読してくれと言わんばかりの名前です。

出典:Yahoo地図

西城川、馬洗川が江の川と合流して流れていきます。

ここで面白いのが、江の川の流れ行く先。三次市における人の移動先は、鉄道や高速道路で結ばれている広島市内かと思いますが、滔々と流れる水は、広島市方面の瀬戸内海側でなく、日本海側へ流れゆきます。山陽・山陰間の分水嶺が山陽側に押し込まれるようにして存在しているわけです。分水嶺が県境となることが多い国内において、珍しいケースではないかと思います。

そんなわけで、水運で栄えた街には、往時の古い街並みがすこーし残されているということで、見に行って参りました。

三次の街並み

三次市の街並み

観光地化されずひっそりと佇んでいる

ひっそりたたずむ古い街並み。場所はこのあたりになります。ちょうど西城川に沿うように、街並みが形成されておりました。

出典:google map

白蘭酒造株式会社

白蘭酒造株式会社

白蘭酒造の煙突

こちらは現役のようですが、あいにく休業日だった酒造会社さん。

物資の集散地として、酒造に必要なものが揃い、何より完成品を各地へ運び出すことができる三次の地は、お酒造りにもつてこいだったのではないでしょうか。

旧万寿之井酒造の酒造蔵

旧万寿之井酒造の酒造蔵

こちらは別の場所にある旧万寿之井酒造の酒造蔵。国の登録有形文化財です。こちらが使われなくなった後、一帯を地元の方が買い取ってカフェなどを開かれているとのこと。

三次市の街並みとクロネコヤマト

モノトーンの街並みにヤマトが映える

煙突がある風景は、なぜかほっとしてしまいます。

三次市の路地裏

気になる路地が多い

干されるたまねぎ

たまねぎも干されていたり

落ち着く景色を至る所で目にすることができます。一方で

覗けと言わんばかりの

既に家主は不在であった

空き家もチラホラ見かけました。

三次市の古い街並み

帰り際、観光協会の方に、三次市の主産業を尋ねたのですが

「特にないです」

とショッキングなお返事をいただいてしまいました。かつての要衝は、その地の利を生かせずここまできてしまったのでしょうか。広島県三次から日本海側を目指します。

三江線の残影を見る

三次から50㎞ばかり北進してきました。このルールは、かつて三次と日本海側の島根県江津市を結んだJR三江線が走っていました。ただ、2018年3月末に廃線となってしまいました。

道中、当時の施設跡に各所で遭遇したわけですが、こちらもその1つ。粕淵駅跡

三江線 粕淵駅

JR三江線 粕淵駅跡

商工会に併設された駅舎からは、少ない人数でも交通サービスを維持しようと考えを巡らせた地元の方の熱意が感じられます。場所はこのあたり

駅構内はご覧の通り

かつての姿がこちら

出典:Wikipedia

概ね当時の姿が残っています。かつては島式ホームだったということで、確かに写真右手にレールが敷かれてるかのようなホーム形状になっています。

三江線 粕淵駅

草さえなくなれば、まだまだ列車を走らせられる雰囲気。

100kmにもわたる長大路線でしたので、廃線間際にはファンで賑わったようですね。

駅舎内のノートからも廃線前の盛り上がりを感じることができる。

ただ、鉄道紳士系Youtuber スーツ氏が、廃止が決定した三江線が置かれてい厳しい現状を鋭く皮肉を交えて捉えてくれていましたので、参考にどうぞ。

30㎞/hほどでゆったりと進む列車とドアツードアで高速で駆け抜ける自家用車や高速バスを比較して、その廃止の必然性を説かれています。

廃線は、その路線と紐づいた生活や思い出、街の外との繋がりが薄れる感覚がとても寂しい気持ちになります。こうなる前に手を打つことが必要なのでしょうが、時代の波は逆らう間もなくやって来るのかもしれません。

さてさて三江線とはここでお別れし、車で日本海側を目指します。

大田市駅

山陰本線 大田市駅

大田市(おおだし)駅を経由して

山陰本線 大田市駅

今日のメイン、島根県 温泉津温泉へ向かいます。

つづく

【名前の80%が温泉】温泉津温泉の古風な温泉街に花火が咲く-中国縦横断part3/7
前回はこちら 島根県 温泉津温泉 2019年8月10日、いよいよ本日のメイン!地名の80%が温泉の温泉津温泉。読みは「ゆのつおんせん」です。The 温泉 of 温泉。温泉津温泉の歴史は古く中世に遡り、世界遺産 石見銀山の...

 

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