年明け早々、このニュースで数年前の旅行を思い出すことなりました。
大阪を走る唯一の路面電車 阪堺(はんかい)電気軌道の大阪側のターミナルの恵美須町駅が移転するというものです。
3年前、友人を訪れるついでにこの駅を利用したのですが、大阪の中心近くにありながらローカル地方私鉄のような鄙びた雰囲気に驚かされました。日本第二の街 大阪は無機質な都会さと”もつ煮のように”濃厚で人間味に溢れた街だったのです。今回はその時の様子を綴りたいと思います。
出発は新横浜駅
旅のスタート!
・・・の前にまずは用足しを笑
この先、道中を安心して過ごすためにも重要です。それにしてもトイレ診断士の厠堂とは・・・ググってみたところこんなところに詳細な記事が。
どうやら㈱アメニティというトイレメンテナンス会社の広告とのこと。日産スタジアムやヤフードームのように公共施設に会社名等をあてるネーミングライツを活用して、このような目を引くトイレが生まれたようです。面白い取り組み。
新横浜からは「ぷらっとこだま」というお得なプランを使ってはじめての新幹線グリーン車乗車
前日までの購入や列車変更がきかないなどの制約がある代わりに、格安でこだまに乗車することができます。特にグリーン車版は東京~新大阪間では、約7,000円もお得になるという強烈なプラン。時間のある旅行の時には、ぜひとも活用していただきたい代物です。
ここ10年でこれでもかというほど近代化してしまった大阪駅着。2005年に訪れた時は
国鉄時代から変わらぬターミナル駅の雰囲気だったのですが、時代に合った施設に変わってしまいましたね。それでも存在を感じさせないほど高い位置にある屋根によって解放感が保たれています。良いですねぇ。と、今宵はここまで。翌日から、大阪探訪開始です。
翌朝 ミナミへ
と、その前に腹ごしらえから。旅の前の準備は念入りにやる必要があります。というわけで南海難波駅近くのアーケードでうどんを食べることにしますが
商店街入口の一等地にも関わらずこの値段に驚きです。とりあえず入店。券売機で悩んでいると店主からお声がかかります。
そして、それがはじまりの合図。うどんの着丼までコッテコテの関西弁でまくしたてられます笑
というような調子で、これでも書き足らないくらいです。これが大阪スタイルか、濃厚な時間をさっぱりとした出汁と共に味わいました。ごちそうさんです。
ところかわって南海難波駅
関西の私鉄のターミナルと言えば、国鉄・JRなんてわき役だと言わんばかり。どこも広大な敷地を有しています。この駅もまたしかり。
宇宙船のような特急ラピート
未だに時代の先をいっているデザイン。素晴らしい曲線美
ジオン軍のMSのようなデザインですよね。
難波から南海電車で新今宮へやってきました。ミナミでも象徴的な街がここ新今宮。中でもこの西成地区は日雇い労働者の街 ドヤ街として、国内でも随一の規模を誇るDEEPなエリア。奥に見えるのはあいりん労働福祉センター。日雇いの方々に仕事の斡旋をしてきたこの街の象徴的な建物ですが2019年の春に閉鎖され、仮事務所へ移転となっているようです。
素人くさい看板があちらこちらに。東京と比べ、人間味を感じるのはこういったところからもありそうです。街を歩くとドヤと呼ばれる労働者向けの簡易宿所もたくさん目にします。一泊数千円の宿が沢山。近年では海外のバックパッカーの寝床として利用されることも多いとか。
洗練された建物に入る2社。この街に集まった微かな富はまた、こうして吸い上げられていくのでしょうか。
新世界は珍世界
どーん。ミナミの象徴通天閣とその界隈の新世界
新世界マーケット
通天閣周辺は言わずもがな、大阪を代表する観光地です。都道府県を代表する観光地ともなれば、お土産があって、税金で綺麗に整備されたトイレがあって・・・なんてのが常ですが、このエリアは小奇麗にされているわけでもなく、ありのまま、庶民的な雰囲気。自分が場末の歓楽街の裏路地に迷い込んでしまったような錯覚を覚えます。そして何より、このエリアはツッコミどころ満載でして
イカした喫茶店や
インフレを知らないうどん屋があったり
我らのオアシスがあったり
意味ありげな”穴”場もあったり
と見どころ満載。驚きなのがいずれも通天閣から徒歩3分圏内にあるということですね。ツッコミを誘う空気が方々に漂っています。
阪堺電車
通天閣界隈を離れ、ふらふらしていると思わぬノスタルジックなターミナルに到着。阪堺電車 恵美須町(えびすまち)駅です。こちらが冒頭に述べたとおり、まもなく移転となってしまいます。
自販機周辺以外は時が止まってしまったような光景
恵美須町駅から住吉大社を目指します。内装はご覧のとおり。ペンキにムラがあって、床もまた足元から歪みを感じてしまいます。まさに走る保存列車。すごい年季の入りようです。
ただ、それもそのはずで、調べてみると定期運用されている国内最古の形式。製造されたのは1928年~31年ということで90歳選手であります。国鉄車両なんてまだまだ若造です。
住吉駅で降車
このおじいちゃん車両、現在4両が現役で活躍中ということです。その古すぎる構造のせいか、空調設備を搭載することができないため、夏季はひたすら車庫でお休みするというかわいい運用がされています。目指せ100歳!活躍を見守っていきたいところであります。
つづく
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