2022年11月、新たな業務が増え仕事が行き詰まりを見せた週末、この壁を乗り越えるために閃いたのでした。
「はるかに困難な取り組みを目にすれば、自分の悩みなど小さく思えるのではないか!」
かくして始発の東海道新幹線に乗り込み、かつて世界最長を誇った明石海峡大橋を訪れたのでありました。
いやぁ、壮観であります
関東圏でレインボーブリッジ、ベイブリッジと吊り橋に馴染みがあると思っていましたがスケールが別格です。1998年(平成10年)の開業で2022年(令和4年)にトルコ・ダーダネルス海峡のチャナッカレ1915橋が開業するまで世界最長の吊り橋として君臨していました。
日本地図を塗り替えたと言っても過言ではない存在です。映画『すずめの戸締り』でも象徴的に描かれたこの橋、一見の価値ありでしょう。
一方、そんな眺めを楽しめる一帯は地元にあれば嬉しいリラックススポットであります。海峡をゆく船舶を流れながら対岸の淡路島、そして四国に想いを馳せてしまいますなぁ。
天空のバス停
と、そんな大橋の北詰に気になる施設が。こちらの舞子バスストップです。
なんぞこれ!?
明石海峡大橋を行く高速バス乗り場ですが、この見た目。左右の階段、中央部に上下1本ずつのエスカレーターとエレベーターを備えた装飾・ムダを廃した無機質な佇まい。一周まわって素敵ではありませんか。
こんな撮影をしていると一人、また一人と利用者が乗り場へ向かってゆきます。利用率は悪くないようです。わたしもエスカレーターに導かれるまま上空へ向かってみることにします。
この時はアジア系のグループで賑わっておりました。同じ職場の同僚さんたちなのでしょうか。
島国らしい夕景ではありませんか。良いですねぇ。
5階部分にある乗り場へはさらに階段を登ってゆきます。
高速道路を眼前に
バス乗り場へやってきました。眼前は、神戸鳴門淡路自動車道。
自ら運転していると気づかないですが、高速道路上を行く車は恐ろしいほど速いのだと改めて感じます。
左手をみると明石海峡大橋が。大動脈というに相応しい交通量です。
ちなみに舞子バスストップは下りは乗車専用、上りは降車専用となっており、神戸方面からやって来て降車したり、神戸方面へここから向かうことはできません。
朝7時台には20本ものバスが両乗り場から発車していくようで、高速バスながら都市部の鉄道並みの本数設定に驚いてしまいます。近年人材系のパソナ社が本社機能を淡路島に移転して話題となりましたが、この交通充実度であれば分からない話でもありません。
実際に別の機会にバスの車中から高速舞子を眺めるタイミングがありましたのでご紹介。徳島→神戸を移動した際に様子です。満員のバスから10名近い方が下車されていきまして、多くの方の需要を捉えたバス停だと伺えました。四国の方々にとっての本州側の玄関口なのでしょう。
反対車線に目をやると、
大行列ががが
土曜の朝ということで通勤、通学、レジャーに向かう阪神圏の人々でしょうか。予約しておかないと乗車できないですね。鉄道ヲタクの筆者にとって本州・四国間の移動は瀬戸大橋が頭によぎってしまうのですが、明石海峡・鳴門大橋が本四移動の大動脈といえそうです。実際に車両の1日の交通量(2023年度・本四高速HPより引用)を比較すると以下のように東高西低になっています。この賑わいを鉄道が享受する様子も見てみたかったものであります。
- 明石海峡大橋 40,979台
- 瀬戸大橋 22,957台
- 因島大橋(しまなみ海道) 18,617台
さて再び高速舞子に戻ってまいります。とはいえ鉄道ルートがないからこそ、高速舞子の独特の賑わいを楽しめているのも事実。
バスストップは一般車両の乗降は禁止されています。ただ、今回の探訪時にも乗り降りをしていると思われる一般車が散見されました。JR・山陽電車の駅にも近く、相乗りするには便利なのでしょうねぇ。
エスカレーターから降りた先は「2階」。JRと乗り換える場合はこちらが便利ですが、山陽電車へは1階が便利な構造となっています。
ちなみに神戸・三宮方面への運賃と所要時間は以下のとおり
JR東海道線:310円 20分 vs 山陽電車:510円 40分
山陽電車の完敗状態。私のような鉄以外はJRを選ぶことになるでしょう。実際JR舞子駅の乗降人員は当駅の10倍近い数となっています。
いつまでも明石海峡大橋を見た目通り「支えて」いただきたいですね。ここから淡路島、四国へ向かう日を夢見ながら山陽電車に乗り込むのでありました。
おしまい
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