伊佐の街並み
続いて、工場の生産活動と共にあった地域の暮らしについても見ていきましょう。
鉱山関連の街ではよくネコを見かける気がします。今回も仲良く日なたぼっこ中のネコちゃんを発見。屋内からも見慣れぬ探訪者に興味の目を向ける子たちが何匹かおりました。お邪魔します!
蒔ストーブ?はたまた五右衛門風呂でしょうか。素敵な暮らしが想像されます。アウトドアをしたいと思いつつ、手を出してこれなかった筆者。今年の目標としましょうか。
これほど職住近接的に街並みが形成される企業城下町も珍しい気がしますがいかがでしょうか。
セメント工場は他業種に比べると騒音や異臭が少なく、共存しやすいとかあるのでしょうかね。グローバル戦略を突き進む工場に比し、伊佐の街並みは時計の針がゆっくり進んでいる印象。この時間的コントラストがまた伊佐の魅力でもありましょう。例えばこちら、
こちらのロゴは1970年代のもの(以下資料参照)。半世紀近く時が止まってしまっているようです。
元々は工場勤務の方の職住近接で賑わった街が、その後の自動車の普及で遠方からの通勤も可能となり、工場近くに住む必要がなくなってしまい、少しずつ時計がゆっくり進むようになっていった。。。というところでしょうか。
敷地と同様な形状に建築する方が空間を有効活用できそうな気もしますが、被写体としては素晴らしい物件ですねぇ。
UBE三菱セメント入口に至る道路沿いに気になる看板を発見、
ちょうどお昼前で小腹が空いてきたところでした。行ってみましょう。
これを読みといていくと気になる宇いちは饅頭の発明者の名前なのだそう。美祢で採掘される泥付きの石灰岩から着想を得て、昭和初期に完成したのが宇一饅頭。現在は三代目の店主が切り盛りされており、この日も店の奥からご対応いただきました。せっかくなので5個入りの饅頭を購入。
蜂蜜が染みこんだ堅めの生地に白あんが包まれた不思議な食感で、まろやかな甘みがありました。ちょっとしたお茶菓子に良いのではないでしょうか。ご馳走さまでした。
JR美祢線 美祢駅
最後に街の玄関口、美祢駅を訪れます。美祢線は瀬戸内側の厚狭と日本海側の長門市と結ぶ非電化ローカル線です。ただ、前述のとおり石灰運搬をはじめ、かつては石炭輸送でも賑わった路線で、往年は貨物の取扱量で日本一となるなど、栄光の歴史を持った駅でございます。
撮影中にコミュニティバスが発着し、数名の高齢者が降りていかれました。駅に向かう方はおりませんでしたが、市役所も近く、美祢市の政治・産業の中心ではあり続けているようです。では駅に入ってみましょう。
現役の鉱山都市とはいえ、鉄道の経営はご多分に漏れず厳しいですね。
以上、山口県美祢市のご紹介でした。伊佐からの見上げる工場群はなかなかの眺めでしたので、界隈の方にはおススメできる街でございます。この後、海沿いの工業都市 宇部へ向かいセメントで栄えた街並みと宇部興産専用道路を見ていこうと思います。
つづく
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