2022年1月9日(土)、道端に降雪の余韻が残る東京を発ちました。
目指すは上越国境です。
求めたのは、行く手が遮られ、建物や生活を覆ってしまうような圧倒的雪景色。
ただ、その行き先が北海道ではならないのでした。小説 雪国では「国境の長いトンネル」が物語、そして非日常への入口として描かれます。
繰り返しの日々を過ごす中で、そのようなアプローチへの憧れが募っていたのかもしれません。また、立ちはだかる山々に一穴を刻んだ先人の知恵と意志に触れ、帰京後の糧としたかったのもあります。
高崎 12:02発 水上行き 211系普通列車
木曜日に大雪となった関東でしたが、週末は行楽日和となりました。東京から住宅街と農地が車窓を楽しませてくれていましたが、渋川を超えると利根川も仲間入り。車窓に立体感も出てきます。
侮っていました。
車内は結構な混雑で、「窮屈な座席よりは・・・」ということで意識的に立っている方もいらした気がします。後で気が付いたのですが、18きっぷ期間最後の土曜日だったので、かような具合となったのでしょう。
ロングシートでこの混雑。新幹線開通後も幹線に変わりはないようで、軽快なジョイント音が誇らしげに聞こえてきます。
沼田を超えると列車は、山の斜面上、集落から一段高い位置を駆けていきます。
ゆえに車窓がなかなかのもの。
あの麓に向かうわけです。この光景に上がらないわけがありません。
共に北上してきた利根川越しに徐々に高層建築が見え始めます。まもなく、関東の最果て水上です。
13:02 水上着
降りたのは初めて。すべての列車がこの水上止まりとなっていて、乗り換えの列車は日本海側の新潟県長岡へ向かいます。
来訪は寝台特急あけぼのに揺られて以来。山間の拠点駅の雰囲気にずっと憧れがありました。
第二走者、長岡行き普通列車の発車まで30分近くあるので、駅を散策します。
列車を停める道具が多く、厳しい運転環境が伺えます。
ホームは綺麗に除雪されていて、利用者は安全に乗り降りできるようになっています。駅員さんありがとうございます。
新潟方面の列車が発着する2番線に行ってみましょうか。
降りた先に待つ列車に乗れば、”長いトンネルの先に待つ雪国”へ
この跨線橋はそんな列車への架け橋で、ある種の国境かもしれません。
水上駅は、SLなどファン垂涎の列車が多数やって来るため、とりわけ警戒がされているのでしょう。撮影をしていてかような看板ははじめて見かけました。
おまけ 翌日
翌日、湯檜曽、土合の両駅を楽しんだ後、再び戻って参りました。
有人駅である水上ですが、想像よりもはるかに賑やかなのが印象的でした。
水上を境に列車系統が分かれ乗務員交代があり、雪国故に人の手による保線が欠かせず、そしてそんな鉄道員さん同士のやり取りが見られるためでしょうか。
無人駅が増える今日において、地方の鉄道駅の賑わいが見られる数少ない場所が、この水上駅かもしれません。
つづく
コメント