稚内港 北防波堤ドーム | かつての樺太への玄関口の真冬のライトアップを見る

北海道

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白銀の宗谷岬 | 樺太の面影を求めてバスに乗り込む-北海道縦断part2/6
前回はこちら 稚内から宗谷岬へ セイコーマートで力を蓄えた後、宗谷岬をめざす。岬までは30㎞近くとそこそこ距離がそこそこあるためバスで向かうことにする。最北の駅とはいえ日本の最北の地へは、さらに北へ向かわねばならない。...

夜の稚内へ繰り出す

稚内駅へ戻った後、宿へチェックイン。冷え切った身体を温めゆったりしていると、腹の虫がうずき始める。気づけば朝からしっかりと食事を摂っていなかった。そんなわけで、夕食のため再び稚内の街へ繰り出すことにした。改めて外に出てみると、

これぞ雪国

降りしきる雪に加えて、港町稚内、風が容赦なく吹き付けてきます。これが試される大地北海道。ただ、いまだに台風やら大雪の類に興奮を覚えてしまう見た目だけ26歳の私は、この地でもテンションが高まっていた。

わっかない氷雪の広場の夜

お祭りは寒くても関係ない

そんな風に街中を歩いていると、ちょっとしたお祭り会場が。その名もわっかない氷雪の広場。様々なイベントが催されていたようだが、今回楽しませていただいたのはさっぽろ雪まつりのミニチュア版で、

ミニオンや

ドナルド・トランプの雪像

世界を騒がす彼

そして上一色村にいた彼まで

このユルさと会場内の家族の団欒を眺め、厳しい天候の中でも和やかな雰囲気で愉快な気持ちになった。

樺太の面影を求めて

そして、会場脇には稚内の名物建築が横たわっているのです。

夜の北防波堤ドーム

北防波堤ドーム

ギリシャの神殿のような日本離れした美しさ。なぜこんなところに?その理由を紐解くには、少し歴史の話をしなくてはならない。
Aniwamaru and Wakkanai port north pier.jpg
削除: 不明 – Scanned from p.49 of Railway Pictorial No.828, パブリック・ドメイン, リンクによる

この防波堤が建てられたのは1931年のこと。稚内から海を渡った先にある樺太は当時日本の支配下にあり、稚泊(ちはく)連絡船で稚内と結ばれていた。稚内は、日本各地からそんな樺太へ向かう玄関口であったのだ。
航路利用者たちは稚内駅に到着した後、桟橋まで歩いて船に乗り換えていた。ただ、冬ともなれば利用者たちは吹きすさぶ風雪や陸に打ち付ける波にさらされるなど、桟橋までの道のりは過酷を極めていた。撮影された年は不明だが、往年の写真をWikipediaで見つけたので紹介しておく。

そこで利用者を守るために設計されたのがこの防波堤ドーム。美しい見た目は、装飾性だけでなく旅人の安全を守る機能性も兼ねていた。 では、当時の旅人のようにドーム内を歩いてみよう。

わっかない氷雪広場北防波堤ドーム

ランタンが美しい曲線を照らす

北防波堤ドーム 稚内氷雪広場

観光客や写真家で賑わうドーム内

この日はイベントもあり北防波堤ドーム内はライトアップがされていました。
イベントの雰囲気もあるとはいえ、穏やかな時間が流れております。外の厳しい風雪が嘘のよう。これはすごい・・・
並べられた灯篭が、冷え切った身体を少しでも温め、美しい橙色で並んでいます。思わぬ出会いでしたが、このお祭りのためだけでも稚内へ行く価値があると感じるほど美しい眺めでございました。

稚泊航路記念碑

ドームをさらに北進すると、往年の稚泊航路とドームの建設後に桟橋付近に建設されていた稚内桟橋駅の記念碑がある。

夜の街を港が照らす

日本の敗戦により過去の存在となった稚泊航路も、実は近年ではロシアとの間の国際航路としてサハリン定期航路と名前を変え夏季限定で運行している。(2017年2月現在)

かつては交わっていた動輪と船舶

ただ、この記事をリライトしている2021年現在では、国際情勢の変化もあり就航を休止している。外交というのはニュースのネタの1つくらいにしか感じていなかったが、かような土地に来るとリアルとして感じることができる。自分分の目で見るというのは大切です。
https://www.city.wakkanai.hokkaido.jp/sangyo/saharin/teikikouro/

空を飛んで出国するのが当たり前の日本において、海路で出国できる数少ない貴重なルートとなっおり、復活を祈るばかりである。

稚内稚泊航路北防波堤ドーム

ドームは数百mに渡って続く

見どころ沢山の防波堤ドームエリアの散策を楽しむあまり、当初の外出の目的であった食事をまた忘れてしまっていたので、市街地方面へ繰り出すことに。

最北の繁華街

夜の稚内の商店街

アーケード街が往年の賑わいを感じさせる

ロシア語表記の道路標識

重ねて感じるが、ロシアはすぐそこにあるのだ

稚内名物を調べるとたこしゃぶなる料理が出てきましたので、そちらの名店にお邪魔する。

北の味心 竹ちゃん

北の大地でもジョッキはキンキンなことに驚き。あれほど冷え切って逃げるように入店したのだが、暖かい部屋にしばらくいると途端に冷たいビールが旨く感じるのだから人間とは実に勝手な生き物だ。

あまりの外気温との差に曇り始めるカメラさん

素朴だがうまい!別で頼んだホタルイカの沖漬けも肴にビールが進む。海の街 最高
https://tabelog.com/hokkaido/A0109/A010901/1021689/

裏道に入ると繁華街らしい雰囲気

明日も早いので深酒することなく、早めにお暇する。と、そんな宿への帰り道、

この後姿は


ぬこ殿!

なかなかの美人さん。寒い街にもいるのだなぁと感心してしまう。
かようにして帰路も楽しみながら宿に到着。長めに湯に浸かりつつ早めに床に就くことに。明日は宗谷本線の始発で一路 旭川へ。列車の出発は5:14。これを逃すと2時間列車はやってこない。北海道の縦断への期待に胸を膨らませ、目を閉じるのであった。

つづく

始発 普通列車で行く!冬の宗谷本線をひたすら南下してみる-北海道縦断part3/5
初日に稚内を存分に楽しみました。港では奥尻島・利尻島の文字も目にして、後ろ髪を引かれるところもありますが、稚内の街を離れることにします。季節を変えてもう一度訪れたい、そんな素晴らしい街でありました。 本日最初のランナーは...

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