動物天国の道東 | 湯宿だいいちでフクロウに出会う-冬のしばれる北海道part1/5

湯宿だいいいちのシマフクロウ 北海道

野生の動物をもっと見たい

そう思ったのは友人とスキー場に行った時に、野生のシカを見かけた時でした。こちらに気付くことなく木々をぬって歩いていく姿がとても愛くるしかったわけです。すっかり心を奪われた私は、無意識のうちに北海道行きのチケットを購入していたのでした。

2020年3月。2泊3日、今回のルートは

1日目
根室中標津空港→中標津泊

2日目
中標津→根室駅→根室本線→帯広泊

3日目
帯広→ぬかびら温泉→十勝帯広空港

でございます!直前で決めたため、ツアーはなく、すべて個別で購入いたしました。ツアーって出発日の7日前までしか販売がされないようです。知らんかった。個別購入で、高くつく結果となりましたが、衝動を抑えきれず、ポチポチを繰り返し、当日を迎えたのでした。思い立ったら行動してしまうのは、旅人の性でしょうか。

いざ北の大地へ

品川駅京急乗換口

京急品川駅から向かいます。

京急品川駅ホームの案内表示

なんとカラフルな!

ホームに溢れた文字情報が目に突き刺さります。少ないホーム数で多様な行先、種別を案内するために、京急が頭を使っているのが伝わってきます。その努力のおかげか、ホーム上の秩序は保たれています。

京急 駅名変更

公募駅名がいよいよ現実のものになるんですね。逗子・葉山の岐阜羽島感たるや。ここまで一気に変えると、なかなかコストもかかりそうですが、京急の目論みは果たして?

羽田へ到着。ここから中標津への直行便はANAの1便のみ。12:15発 13:55着です。では行ってきます。機内ではサービスドリンクをもらうことなく、爆睡です。

夢から覚めるとそこは

目覚めたら北の大地が!羽に隠れるように見える吸盤のような湖は摩周湖でしょうか。一気に非日常的な世界へやってきてしまいました。

人工的に区切られた広大な土地が現れます。これはおそらくですがパイロットファームと呼ばれる、大規模農業・酪農用地と思われます。中標津空港のあるこの根釧台地での特徴的な風景です。

また、帯のように伸びる林は、防風効果だけではなく野生生物のすみかや移動の通路としての機能も果たす格子状防風林と呼ばれるもので、開拓時代の植民地区画を示す歴史的意義も持っているようです。(北海道庁HPより)

根室中標津空港

楽しい空の旅を満喫していたら根室中標津空港に到着!ひじょーにこじんまりしております。

木材がふんだんに使われたタラップ。木の香りで充ちております。道東らしいですねぇ。空港からは宿のお迎えバスへ

これだけですでに効用高め

おおおお動物!!

キツネに見えましたが詳細は分からず。これです、これを見に来たのです!

養老牛温泉 湯宿だいいち

てなわけで今宵の寝床 湯宿だいいちさんに到着。お邪魔します。ここは世界最大のフクロウであるシマフクロウの野生の姿が見られるという噂のお宿。どうかよろしくお願いしますよ。

囲炉裏のあるロビーでチェックイン。この素敵な空間からこの宿に集まる野鳥を観察することができます。

湯宿だいいち 鳥

コガラ(多分)

コゲラ(多分)

部屋に鳥たちの特徴が書かれた一覧から判断。ド素人の私にはなかなか判別が難しいですが、どのこもかわいい

湯宿だいいち てん

そしてこちら野生のてんちゃん。宿の軒先から時折顔を出しては、どこかへ行ってしまいます。かわいすぎるやないか・・・

湯宿だいいち ラウンジ

宿泊者用のラウンジ。サービスのホットドリンクを飲みながら本棚からまたーりできます。

湯宿だいいち 部屋

お部屋はこんな感じ。館内をぷらぷらして本なんかを読んで、お風呂に入っていたらあっという間に夕食の時間に

お風呂は、温泉。内風呂は木材がふんだんに使われていう上に、露天風呂が5つほどあり、そばを流れる標津川のせせらぎを眺めながらほけぇとすることができます。

つまようじ入れがタンチョウヅル

料理はどれも美味!その中でも特に印象的だったのがこちら。からりと揚げられていて骨以外すべて食べることができます。まんぷくになったところで、いよいよ本題に。

そう、シマフクロウ

宿の方に伺うと

「7時ごろにあらわれることが多いですよ。ご希望であれば、現れたタイミングでお部屋にお電話しましょうか?」

とのこと。もちろんお願いして部屋に戻ったわけですが、まぁ落ち着かない笑

その瞬間を逃してはならんと、本と共にロビーに張り付くことに。他の宿泊者の方はコーヒーやお酒を片手に談笑する和やかな雰囲気。リラックスして30分ほどでしょうか、その時は突然訪れました。

カムイ

湯宿だいいち しまふくろう

こ、神々しい・・・

そしてとてつもなく大きい。本格的な登山用リュックくらいの大きさはあるでしょうか。

湯宿だいいち しまふくろう

ロビーにも一気に緊張感が広がります。宿の方のご厚意で部屋の照明が消されたことで、闇の中にフクロウだけが浮き上がります。アイヌ語の「コタンコロカムイ(村の神様)」の名にふさわしいたたずまいです。

湯宿だいいち てん

先ほどのてんちゃんも思わず登場!

広げると180cmにもなる翼をはばたかせます。人の方が大きいとはいえ、これは動物の本能でしょうか、どこか委縮してしまう私。

湯宿だいいちで撮影したしまふくろう

北海道の中央部から東部に分布するシマフクロウ。かつては道内全域で見られたそうです。

ぎろり

ただ、現在ではわずか100羽と数えるほどしか生息していないとのこと。乱獲、伐採、河川改修、理由はいろいろ考えられるようですが、はっきりした原因はわかっていないそうです

おしりを向けたその刹那、闇の中へと消えていきました。その後、数時間粘ってみたものの、結局姿を見せてくれたのはこの1回のみ。ほんの数分間のフクロウとの邂逅は鮮烈な記憶として刻まれました。

フクロウの出没の状況は湯宿だいいちさんのHPで時折更新されますので、チェックしてみてください。

そんなわけで第1日目はこれにて終了。明日は東進し、根室を経由し、帯広をめざします。

つづく

バスと根室本線 普通列車でゆく 中標津・根室⇒釧路-冬のしばれる北海道part2/5
前回はこちら根室交通バスで中標津→根室宿の方にお送りいただいてやってきたのは中標津バスターミナル鉄道が走らないこのエリアの交通の要衝で、釧路、根室や知床方面へ向かうバスが発着しています。車を借りない旅行者はこれらを使って...

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