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根室交通バスで中標津→根室
宿の方にお送りいただいてやってきたのは中標津バスターミナル
鉄道が走らないこのエリアの交通の要衝で、釧路、根室や知床方面へ向かうバスが発着しています。車を借りない旅行者はこれらを使って、根釧台地を旅することになります。
かつては標津線がこの地と、釧網線の標茶駅、根室本線の厚床駅を結んでおりました。道内の他のローカル線の例にもれず、本線も利用客の少なさを理由に1989年に廃線となっています。
このバスターミナルは、そんな標津線の中標津駅跡地に建てられております。
バスターミナルの中にはこじんまりとした標津線資料館がありまして、バス会社の方に声掛けをすると見せていただけます。
そうこうしていると根室交通の根室中標津空港発 根室行きのバスが、数分遅れて到着。
大型バスは3列シート。ゆったりと根室へ向かいます。およそ1時間半の旅路。料金は1,920円でございます。
道中、厚床駅までは、おそらく標津線の代替ということなんでしょう。春別、別海とこの辺りでは比較的大きな街を通っていきます。
と、そうこうしているうちにウトウト・・・
気づいたらもう根室半島までやってきました。荒涼とした景色の中を突き進みます。
奥には国後島が。
このバスを降りた後の行程は、根室駅から根室本線(通称花咲線)快速はなさきに乗って、釧路に向かいます。
このバスの根室駅到着が10:55。そして快速の発車は11:03のわけです、が・・・
現在、10:59。根室駅はいまだに見えず。
やばい
どうやら当初の遅れを取り戻すことなくここまでやってきたようです。結局、私以外の乗客は誰もいなかったんだけどなぁ。はてはて
そんなこんなで、根室らしい塔を眺めながら
根室駅11:01着、なんとか間に合いました。
最果ての根室駅から花咲線の旅
駅員さんに催促されながら猛ダッシュではなさきに乗車。何とかなって良かった。11:03 最果てのターミナル根室駅を後にします。乗客は5名ほど、いずれも鉄道ファンと思われる雰囲気を醸し出しています。同族だから良く分かる、身なり、装備品、挙動など笑
かく言う私も、今日から利用可能な18切符を片手に握りしめ、鼻息を荒く(走ったせいで)しているわけですので、同じことを思われていたでしょう。
快速はなさきは、花咲線こと根室本線の根室~釧路間で1日1往復運転されている快速列車で、上り列車は、厚床までの各駅と、浜中、茶内と停まり、厚岸からはノンストップで釧路まで向かいます。
根室発の列車は1日6本。貴重な快速は、利便性の高い列車になっています。
また、下りのみ、はなさきに加えて快速ノサップが運転され、速達輸送を担ってくれております。
しれっと日本最東端の駅 東根室駅に到達。希少な乗客1名が降りていきます。近くにはシカの親子も見えたりしました。
駅名標に「にしわだ」が上書きされた跡がありますが、これはつい最近まで、東根室駅の隣に花咲線の名前の由来となった花咲駅があったため。数年前、この近くの花咲港の民宿に泊まったことがありましたが、民宿の気前の良いおかんが、花咲ガニをわんこそばのように食べさせてくれたのを思い出します。しばらく指からカニの匂いが取れなかったのはいい思い出。
そんなわけで、西和田に到着。
続いて昆布盛に到着。
非常に好みの駅名の1つ。盛りだくさんの昆布が家計を支えたことでしょう。
海を眺めて
花咲線を走るキハ54系は後面からの過ぎ去っていく景色を食らいついて眺めることができます。
交換設備をもったこの駅は、落石と書いておちいし駅
落石駅を後にするとしばらく線路は海岸線と共にゆきます。冬の太平洋を眺めながら行きたいところですが、この花咲線、意外と海沿いを走る区間はなく、ここ落石海岸付近と厚岸駅付近しかありません。それでも期待される方は、進行方向左側の席に座ると良いでしょう。根室本線らしい荒涼とした風景。これを見たかったんです。
写真には写せませんでしたが、雪の平原で羽を休めているたくさんの海鳥と一匹のキツネがじゃれている場面なんかも目にしました。動物たちがたくさん生息するエリアを縫うように花咲線は走っていきます。
別当賀(べっとが)駅着。貨物列車の車掌車を改造した駅舎。JR北海道管内でよく見られるものです。
頑張る運転士氏
11:50 厚床駅着。先述のとおり、かつてはここから標津線の支線が中標津駅へと走っておりました。
今は1面1線、駅前もロータリーがあるだけの小さな駅ですが、当時は賑わったんでしょうね。ただ、往年の面影は感じることができません。厚床駅を出発
先ほどご紹介した後面の展望ですかご覧のとおり水滴の幕が・・・泣
車輪に舞い上げられた雪が付着してしまったようです。自席に戻ることにしましょう。
12:12 茶内駅に到達。ちょうどこの駅が根室~釧路間の中間地点。そんあこともあり、列車の交換待ちのため少々停車します。すかさず外へ。
雪の中をかき分けてきたもんですから、お顔はは真っ白のお化粧状態。
そして、反対から列車がやってきましたね。なにやら紅白のめでたげな塗装。ハマナスの花をイメージしているとか
おお、快速ノサップ!
乗車率はこちらよりも高め。18きっぱーでしょうかね。最果てからよりも、やはり最果てを目指す旅のが旅情をそそりますよね
茶内を出発すると、再び荒涼とした区間を突き進みます。夏に来たら草原が広がっているのでしょうか。それもまた見てみたいところです。
馬と鹿
しばらくウトウトしてしまい、列車は12:36 厚岸へ。これまで人の乗降は皆無だったのですが、さすが港町厚岸。漁業関係者と思われる服装の方々が10名ほど乗車してきました。
ここから釧路まではノンストップ。地元の移動手段として、この区間はまだまだ現役のようですな。厚岸~釧路間ではちょっとした丘陵地帯を縫うように進みます。
両脇にはエゾマツでしょうか。針葉樹系の林がありまして、ちょーと目を凝らしていると
あっ!
こんなとこにも
シカでした
かわいい動物たちを目にすることができます。鉄道の運行が鹿の出没で阻害されるというのは、道内をばじめ、JR西日本管内の紀勢線においても問題になっています。が、とりわけ、この花咲線内は異常な出没率らしく、Wikipediaによれば
(エゾシカによる運行支障は)1990年代前期に年間200 – 300件程度だったものが、2004年(平成16年)度に年間1,000件を超え、2007年(平成19年)度は1,474件にのぼっている。
(中略)
根室本線は、北海道の中でもエゾシカの線路侵入が目立って多い。2007年(平成19年)度の全道1,474件中、752件が釧路支社管内で、そのうち463件は落合以東の根室本線で占めている。
(中略)
花咲線区間での2007年(平成19年)度支障件数は335件にものぼる。
これは絶対数であり、釧路以西と比較すると、特急・急行も貨物列車もなく、列車本数や営業距離も勘案すれば、列車営業キロあたりでは釧路以西の10倍以上エゾシカの影響を受けているといえる。警笛によりシカに注意を促すために、花咲線用のキハ54はタイフォンをホイッスル(通称「シカブエ」と呼ばれる。JR北海道の車両にはキハ283系など広く用いられている)に換えている。
その数字が示すように、この行程中、10回ほど鹿を目にする機会がありましたし、トンネルや駅構内でもない不可思議なところでタイフォンが鳴らされる場面もありました。旅行者にとっては良き旅の思い出になりますが、運行事業者のJRにとっては、悩みの種のようですね。
そうした鹿天国をあとにし、人口物が増えてくると
炭鉱と港のまち
13:15 釧路駅に到着。おつかれさまでした。
ホーム上にはついこの間まで採掘をしていた太平洋炭鉱で取れた石炭が。かつて炭鉱と漁港で栄えた釧路の街の象徴です。
この後、帯広に向かいます。左手のスーパーおおぞら、には乗らず約1時間後に出る普通列車でトコトコ向かいたいと思います。が、せっかくなので、釧路の街を探索してみることにしましょう。
つづく
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