どうも、コロナ禍にトヨタの書籍を読み、すっかり心酔してしまった筆者です。
ジャストインタイム、カイゼン、アンドン・・・時代を通じて日本を牽引してきたトヨタの神髄。その実態をさらに学ぶことはできんか!
ということで、名古屋の訪問を決意しました。そして、せっかく行くのであれば、欲張りな私、ついでに観光もたくさんしてしまおうと画策したわけでした。日程や予算の都合もあり、0泊2日の強行軍です。主な行程は以下のとおり
1日目
23:30 夜行バスで東京駅発
2日目
5:30 名古屋着
6:00 柳橋中央市場で朝食
7:00 名鉄名古屋駅 見学
10:00 トヨタ産業記念館 見学
14:00 長良川鉄道北濃駅 見学
16:00 岐阜県郡上八幡 探訪
20:00 新幹線で帰京
詰めに詰め込んでみました笑
それではいきましょう!
はじまりの東京駅には、100歳選手?
やって参りました東京駅。金曜の夜から旅に出る高揚感はまた格別です。数時間前まで仕事をしているからでしょうね。土日の旅行よりも1泊分、余計な出費が生じますが、非日常感が際立つのでおススメです。
さてさて、降り立った山手線・京浜東北線ホームの有楽町寄りの一角に、何やら異質な構造物が
読んでみますと、どうやら東京駅が建てられた当時からあるホーム屋根を支える鉄柱なんだとか。いきなり素敵な出会い!確かに観察してみますと
おおお!
「明治四十一年」とあります。西暦で言えば、1908年。
日露戦争が終結して間もなくの時期ですね。こりゃすごい。えぐり取られて詳しくは判読できませんが、おそらく鋳造された年と製作元が記されていたのでしょう。
東京は思わぬところにレトロがありますから気が抜けませんなぁ。早速思わぬ出会いができました。これは良い旅になる予感。
走るホテル、はたまた牢獄か
東京駅八重洲口にやって参りました。すでに深夜に向かう時間にありましたが、それでも、高頻度で各地へバスが出発していきます。普段ならば何気なく眺める光景も、これからの期待感で旅情あふれる光景に変わるのですから不思議なものです。まぶたはすでにお休みモードですが、気持ちは高まっております。
今宵はこちらのJRバスで!・・・といきたいところですが、私の財務大臣の承認が下りず、
八重洲口から徒歩5分ほど、こちらの鍜治橋駐車場より出発します。たかが5分、されど5分
この差は、小さそうで、大きいものです。歩を進めながら、出世し、悠然とJRバスに乗り込む日を夢見る28の夜でした。
今回乗り込むのはジャムジャムライナー。ねっとりした響きではありますが、3列独立シートで、名古屋まで6,000円。新幹線の半額の料金で、気持ちはすっきりです。
眠れなければ地獄の夜行バス。
快眠を願って、背もたれに頭を委ねます。それではおやすみなさい
明朝 5時30分
無事に爆睡をかまし、目を開けると素晴らしい快晴をみることができました。おはようございます。
やってきたのは、名古屋駅南方にあるささしまライブ。地元民でなければ、「およ?」となる名称ですが、れっきとした地名です。リニアの開通に向けてかつて存在した貨物駅 笹島駅の跡地を再開発したエリア。近未来的な光景が広がります。場所はこの辺り
南方から伸びてきている運河なんかからも、当地が貨物駅だった名残を感じることができそうです。
涼しげで良いですねぇ
オシャレなお店なんかもたくさんありそうなエリアではあるのですが、いかんせん早朝にやってる所はありません。
そこで、朝食を調達しに、名古屋駅の西側に存在する柳橋中央市場を目指します。市場の朝ごはん、実は初めてで楽しみにしておりました。
年季の入った、高架をくぐり、
レトロな大人のオアシスを横目に
名古屋駅前にある民間市場
やって参りました!名古屋駅から徒歩10分ほど。大都会の真っ只中に存在する柳橋中央市場です。東京の築地や豊洲と異なり、民間で運営されているのもまた特徴ですかね。専門店の方だけでなく、地元の方や私のような観光客にも大きく開かれた市場であります。
他にも公式サイトにはこのとおり
明治の後期、この地域に自然発生的に生まれた万物問屋をまとめた形で開設されたのが柳橋中央市場の始まりとされます。(中略)
現在、名古屋駅前の4.000坪に約300店舗を擁し、全国でも珍しく都心部一等地に立地し、全国最大級の規模を誇る民間中央市場として知られています。マルナカ食品センター 名古屋駅真柳橋中央市場
長い歴史と広大な敷地がお分かりいただけるのかと思います。しかし
百聞は一見に如かず!
実際にご覧いただきましょう。
ご覧の盛況ぶり。写真だと伝わりにくいかと思いますが、それはもうすごい賑わいで、通路は肩と肩が触れんばかりの場所もありました。なにより市場の方々がとにかく動き回っておりますんで、うかうか写真撮影などしてられません。まさに戦場
新鮮な山盛りのマグロの切り身が市場に並んでおりました。購入した方の嬉々とした表情も印象深いです。
ということで、市場を訪問した目的である さらしなさんへ到着。営業時間が朝5時から14時までと、The 市場メシという営業時間です。しかし、この早さのおかげで、夜行バスから解放された私たちにとっても、貴重な温かい食事がとれる場所であります。
10席ほどの小さな店内はほぼ満席。朝6時とは思えない賑わいでした。せっかくなので、まぐろ丼と名古屋名物のきしめんセットにします。
贅沢な朝食。これで900円。ごちそうさまです。
https://tabelog.com/aichi/A2301/A230101/23051782/
目的を達成したところで、次なる目的地を目指すことに
夜行バスからの朝市場。ぜひご堪能下さい。
日本一多忙でカオスな”迷”駅
つづいてやってきたのが、愛知県から岐阜県にかけて、一大路線網を有する名鉄名古屋駅。
実はこの場所、リニアの開業に合わせて再開発が予定されているため、この眺めもまもなく見納め。どこぞの赤い私鉄も東京で再開発に乗り出していましたが、次の10年に向けた大型投資でしょう。この名鉄名古屋駅ビルや隣接するビルやバスターミナルを統合的に再開発し、1つの長大なビルを建設するのだそうで
スタイリッシュであります!リニア開業に向けて名古屋全体で盛り上げていこうということなのでしょうか。
また、名鉄ではこれに合わせて、同社の名古屋駅の改良工事も行うようで
上図の濃いオレンジ色の範囲のように、駅の区画を2倍近くに広げるんですね。利用者にとって新しく、より使いやすい駅となることでしょう。ところで、名鉄がここまで気合を入れて再開発を行うのは、名古屋駅を中心とした路線網と手狭な名古屋駅のホーム空間に問題意識があるからでしょう。
ご覧のとおり、名鉄は名古屋を中心として各方面へ放射状に路線を伸ばしており、この多様な路線を走る列車が、一大ターミナルの名古屋駅を発着します。乗客の利便性を考えれば当然の戦略でしょう。ところが、その肝となる名古屋駅には、3つのホームと、上下それぞれ1本ずつのレールしかありません。言ってしまえば、皆さんがイメージする身近な各駅停車しか停まらない駅、それと同様の設備で、多種多様な列車を賄っているのです。
では、またしても
百聞は一見に如かず!
実際にご覧ください。
どうでしょう。一見立派な施設ですが、線路は、写真で言う手間側と、駅員さんの立つホームの奥にしか敷かれておりません。列車を長時間停めてしまうと、次の列車が入線できませんのでひっきりなしに列車が出入りしていきます。
いかがでしょうか。電光掲示板に目をやると、知多半田行きは河和線の普通列車、豊川稲荷行きは豊川線の急行、そして中部国際空港行きは空港線の特急という多様性あふれる社会。名古屋の方は、さぞ情報処理能力が高いのでしょう(白目)
ただ、我々初心者にも分かりやすいように様々な工夫がなされています。さすが優しい名古屋の方(私の知人になぜか多い)
1つはこの行灯(あんどん)
列車の行先に色が割り振られており、到着する列車が近づくと、その列車の色が分かります。そして、ホーム上に示されたその色の列に並んでおけば、間違いなく乗ることができるのです。
もう一つはこの壁からせり出したナゾのお部屋。DJブースとも呼ばれています。
その理由というと、この部屋にいる駅員さんが、入線してくる列車を見ながら常に案内放送をしてくれるから。また、曲線上にある本駅は視界も悪いことから、高い位置に設けられている点がブースと呼ばれる所以でしょう。
昨今では、効率化や人員削減ということで自動放送が増えておりますが、この名鉄名古屋駅では未だに手動でなされています。それは、多様な列車があまりにも高頻度でやって来るため、自動放送では案内しきれないからなのだとか。
ヒトが機械に勝った場所
それがこの名鉄名古屋駅です。
このようにキャパシティ以上の列車を捌くために、アイデアをもって輸送サービスを保ってきてきた名鉄の意地が感じられる名鉄名古屋駅は、大変興味深いスポットです。ただ、今回の工事計画を見るに、それも限界に来てしまったということでしょう。
再開発の後は、駅空間が拡張され、線路が4本に増やされると共に、この視界の効かない曲線も解消されるんだそう。生まれ変わった駅も楽しみですが、まさに知の結晶、現在の名鉄名古屋駅の風景も、しっかり目に焼き付けておきたいところです。
つづく
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