水の街 岐阜県のおへそ郡上八幡-0泊2日で行く!part2/2

郡上八幡と吉田川 東海・甲信越

前回はこちら

柳橋中央市場と名鉄名古屋駅-0泊2日で行く!part1/2
どうも、コロナ禍にトヨタの書籍を読み、すっかり心酔してしまった筆者です。 ジャストインタイム、カイゼン、アンドン・・・時代を通じて日本を牽引してきたトヨタの神髄。その実態をさらに学ぶことはできんか! ということで、名古屋...

※2020年6月撮影

郡上八幡ってなんだ

本旅のもう一つの目的地 岐阜県郡上八幡へやって参りました。
群上と書いてぐじょうと読みます。これ大事。

当地を訪れるにあたり、カーナビで検索をかけたわけですが、一向に登場しない郡上八幡の文字。そう、実際私もずっとぐんじょうと調べていたのでした。どおりでヒットしないわけだ。ちぐじょう・・・

 

・・・はい

伊勢湾に注ぐ多くの河川に沿って集落が形成されている(と思っているのですが)岐阜県。
その中でも、未踏のエリアだった長良川沿い、特に水路が巡らされた古い街並みが残る当地に行ってみようと思いやって参りました。場所はこちら

まさに岐阜県のおへそ。

当初の来訪の予定では、北濃駅の見学の後の16時を予定していましたが、押しに押して時間は既に17時30分。北濃駅の訪問はパスし、時間の都合でこちらを優先しました。
帰りの新幹線を考えると18時30分には出なければなりません。

1時間1本勝負でいきます。

それでは実際にご覧いただきましょう。

水を愛し、水に愛された街

郡上八幡新町通

新町通

歴史を感じる街並みが広がりながらも、賑わいもあり、なかなか良い雰囲気です。
こちらも当ページではおなじみの重要伝統的建造物群保存地区こと重伝建に指定されています。

角に建つ魚虎さんはウナギの名店との噂。

他にもこの郡上八幡には、鶏(けい)ちゃん焼きと呼ばれるソウルフードがあるんです。
下味をつけた鶏もも肉とネギやキャベツといった野菜たちを鉄板で炒めたものだそうで、これまた美味しそうです。当地へ訪問の際には是非ともお腹を空かせてどうぞ(SAのカレーなんぞで満腹だった当時の私。とほほ)

フードはあきらめ、街歩きに専念します。

この郡上八幡の特徴的な風景としてこの

郡上八幡の水路

表通りを逸れると水路が

町中に巡らされた水路が挙げられるでしょう。降水量の多さと三方を山に囲まれた、河川の結節点という立地もありますが、元を辿ると、江戸期に大火で街が焼失した後に、郡上藩主の遠藤 常友が防火に重きを置いた街づくりをしたことなんだとか。

そして、防火用の水路は、次第に住民の生活に根付いていきます。

宗祇水案内板

宗祇水案内板(ボケておる・・・)

そんな郡上八幡で最も有名な湧水がこちらの宗祇水(そうぎすい)環境省が選定する名水百選の栄えある第1号にも選ばれたこちらもまた遠藤常友により整備がなされたのだとか。

ただこの場所で注目したいのは次の写真

宗祇水 水汲み場

宗祇水 水汲み場

分かりにくいですが、水汲み場内に小さな段差があり、区画されています。これは水舟と呼ばれる郡上八幡固有の水利用のルールがあるため。区割りごとに利用方法が決められており、

水源に最も近い区画 ⇒ 飲料用
その次の場所 ⇒ 野菜などの泥落とし
最後の場所 ⇒ 使用済みの食器等のの洗浄

が行われます。また、最後の区画から流れ出た食べ残しは、川へ流れ込み、魚たちのエサになるということまで考えられているというのだとか。水と共に歩んできた郡上八幡の人々の知恵を伺い知ることができる場所です。

小駄良川

宗祇水が流れつく小駄良川

郡上八幡の吉田川

街を象徴する吉田川

小駄良川吉田川に、そして吉田川が長良川と合流し、伊勢湾を目指していきます。

水辺を後にし、再び街中を巡ります。郡上八幡は、吉田川を挟んで北側と南側に街並みが広がっています。まずは南側を見てみましょう。

郡上八幡街並み

歩いてて落ち着く規模感

重伝建 郡上八幡

シャッター店舗もありますが、まだまだ街は元気

郡上八幡LUCKY

レトロなパチンコ屋さんLUCKY

郡上八幡の商店街

小さな個人商店も多い

郡上八幡古い街並み

古風な家並みも

宮ケ瀬橋

宮ケ瀬橋より吉田川上流方向を眺める

宮ケ瀬橋を渡り、今度は北側へ行ってみましょう。個人的な印象ですが、郡上八幡の街は

南側=官公庁施設、金融機関、個人商店と食事処
北側=お土産屋、旅館や観光スポット

という感じで分類ができるのではないでしょうか。先ほどの宗祇水もこの北側エリアにございます。

スポット満載の北側地域

桜間見屋

ニッキ飴の老舗 桜間見屋

まずお迎えいただいたのは、明治20年創業の和菓子屋 桜間見屋(おうまみや)さん。こちらの名物は肉桂玉と呼ばれるニッキ飴。肉桂とかいてにっけいと読むのですが、これが崩れたのがニッキなんですと。初耳でした。シナモンという別名までありますので非常にややこしい。どれかピンとくるもので、味をご想像いただけると嬉しいです。http://ohmamiya.com/

宗祇水へ続く道

この桜間見屋さんの脇にある石段は宗祇水へ至っています。

白龍稲荷神社

街中に突如現れる岩塊

続いてご紹介するのがこちら、高さ10mはあろうかという巨岩がと鮮やかな鳥居。

こんなの登らんわけにはいかんじゃないですかあああ!

街中でこんなことになろうとは

白龍稲荷神社祠

階段は30段ほど

階段というよりも岩の壁をよじ登ったという表現が正しいような、その先の山頂ならぬ、岩頂には小さな祠が

この白龍稲荷神社調べてみたものの、いつからどういった経緯でこんな場所に創建されたかは全くもって不明なんです。まぁ語らずともこの立地で聖域を感じることができます。ちなみに2本ののぼり旗の間、山頂にポツンと見える白い塊が、街のシンボル郡上八幡城です。

郡上八幡

道は、下呂、高山に続く

飛騨路の両観光地に比べ、知名度には劣る郡上八幡ですが、歴史ある街並みとこの落ち着きは、当地の魅力ではないでしょうか。高山は素敵ですが、いかんせん観光の方がわんさかりますからな。

旅館備前屋

旅館 備前屋

白龍稲荷神社から北西に数分進むと左手に見えてくるのが旅館 備前屋さん。HPによれば、

江戸期藩校「潜竜館」の跡地に建てられ「備前屋」の名で始まりました。
明治創業以来、郡上八幡で最古の旅館として長きにわたり愛され続けてきました。
こうした歴史と伝統に磨き上げられたおもてなしはそのままに。
先人たちの熱い想いは今もなお備前屋に息づいています。

この紹介のとおり、老舗に相応しいサービスと料理を楽しめるこじんまりしたお宿なんだとか

郡上八幡 味覚溢れる老舗の料理旅館 備前屋【公式サイト】
岐阜県郡上市、歴史ある郡上八幡にある料理旅館「備前屋」。旧藩校跡地に建つ当館は最も古くから旅館を営む老舗です。風情・歴史・情緒を感じる木造の造りに坪庭が趣を今に伝えます。鮎、飛騨牛といった地を代表する美味の銘品だけでなく...
岩崎瀧三の生家

食品サンプルの王のお家

さらに北西に進むとまたなにやら気になる物件が。郡上八幡に生まれた岩崎 瀧三は、初めて食品サンプルの事業化に成功した人物で、そのノウハウを蓄積した㈱いわさきは、国内シェア70%を誇る企業へと成長しました。

HPを拝見しましたが食品サンプルに対する情熱に溢れているのなんの笑
http://www.iwasaki-ts.co.jp/

食事前に、店先でサンプル見ながらメニューを選ぶ時間ってなんか良いですよね~

神農薬師

神農薬師

岩塊に登ったと思えば、今度は岩壁の小穴に小ささな祠が。吉田川の北側エリアの見どころは密でございます笑

これまで紹介した北側のスポットを一覧に。郡上八幡の裏目貫通りといったところでしょうか。

郡上八幡と吉田川

吉田川にせり出す建物群

ということで、密な北側エリアを離れ、神農薬師前に架かる新橋から、再び南側エリアへと渡ることにします。ここのように、川にせり出した建物ってなぜか好きなんですよね。鬼怒川温泉なんかもそうですが。

「少しでも良い眺望を!」

という人の欲が見え隠れするからでしょうか。

新橋を渡ってすぐ左手にあるのが郡上八幡観光協会旧八幡町役場庁舎でもあります。1935年に建てられ1994年まで町政の拠点だったんだそう。

郡上八幡のスクールゾーン

スクールゾー「ソ」?

というわけで郡上八幡の街をあとにします。いかがでしょうか?(まとめサイト風)これだけでも見どころがありますが、

街のシンボルである郡上八幡城
さらには
最大のイベントである郡上おどり
はそれら以上の魅力かもしれません。

郡上おどりについては、日本最長の?盆踊りとも言われ、7月中旬から9月上旬までのおよそ30夜にわたって夜ごと踊りが続き(!!)、見学者よりも踊りへの参加者の方が多い(飛び入り参加も可)という狂気的な伝統行事だそう。南海キャンディーズの山ちゃんもよく訪れるそうですね。
参考に動画を載せますが、なんとも楽しそうでございます。これらは次の訪問で押さえていきたいところですね

郡上おどり
岐阜県郡上八幡観光協会の公式サイト、郡上八幡の旅行案内、観光案内、宿泊案内、郡上おどりの詳しいご案内

街の玄関口もまた良いんです

郡上八幡駅舎

郡上八幡駅舎

最後にこの街の玄関口もまた魅力的ですので、ご紹介してお別れとしたいと思います。

この郡上八幡駅は、1929年に開業。旧国鉄越美南線、そしてその後を引き継いだ長良川鉄道の駅として幾度の改修を経ながらも現在も絶賛現役です。素敵な雰囲気の建物がでありながら、使い心地も良いというハイブリッド建築に昇華しております。

郡上八幡駅の案内板

文句なしの登録有形文化財

地方都市の多分に漏れず、この郡上八幡も中心街から少し離れた場所に駅舎が存在します。歩いて20分ほどでしょうか。それでは構内を覗いてみましょう。

郡上八幡駅上り線ホーム

時間が止まったような駅構内 北濃方面

郡上八幡駅構内

こちらは美濃太田方面

レトロ映画のワンシーンがそのまま具現化したような不思議な光景が広がっています。同じような古さを感じる駅は、全国にもあるかと思いますが、当駅のようによく手入れがなされ、綺麗な状態が保たれている場所は珍しいのではないでしょうか。

郡上八幡駅跨線橋より

稜線に吸い込まれていくに鉄路

山間の拠点駅という雰囲気がとてもGood! 跨線橋も確か木造でして、歴史を足元からも感じることができます(やたらきしむ)

郡上八幡駅舎背面

下りホームから駅舎の背中をば

背中で語る駅舎。文句なしのおすすめ一等駅舎です。

郡上八幡駅便所

「便所」のフォントが一回りしてかわいらしい

GJ8マン

てなわけで
GJ8マン(ジージェイエイトマン)のお見送りで帰路につきます

この全身タイツのお兄さんのデザインを担当したのは、ちびまる子ちゃんで有名なさくらももこ氏。郡上八幡を愛しすぎた彼女は、とうとう依頼があったわけでもないのに、このヒーローを生み出したのでありました。まさに勝手にヒーローズ!・・・はい

彼は郡上八幡の透き通った水を武器にこの世の平和を守っています。そして悪を退治した彼は、生まれた星へまた帰っていく・・・というウルトラマンとは違い、長良川鉄道で帰るのだとか笑

名古屋から鉄道で2時間30分、車で1時間30分。
一瞬身構えてしまう距離かもしれません。
ただ、その移動時間に見合う魅力がこの街には、あるんじゃないかと私は感じた次第です。22年7月23日はあのアド街ック天国にも登場。多くの方この素敵な場所を知ってもらえるのが嬉しいです。

1時間の滞在でしたが、もっとゆっくりできるのが一番かと思います。
ぜひともみなさんも、下呂や高山と一緒にいらしてみてください。

18時30分

エイトマンの悪口ばかり言ってしまったので、彼を避け、車にて帰宅させていただきます笑

おしまい

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